ブリッジワークスの新しい動きをご紹介
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2026.08.06
オウンドメディアの社員インタビュー、導入事例のお客様取材、社内報のトップメッセージ、採用サイトの座談会——。企業の情報発信のなかで、インタビュー記事はもっとも出番の多いコンテンツのひとつです。
ところが、いざ自分で取材から執筆までやってみると、多くのご担当者がこんな壁にぶつかります。
「1時間たっぷり話を聞いたはずなのに、記事にすると内容が薄い」 「用意した質問を消化するだけで精一杯で、話が深まらない」 「文字起こしを前に、どこから手をつければいいかわからない」
じつは、インタビュー記事の出来栄えは、取材当日の話術で決まるわけではありません。勝負を分けるのは「取材準備」「質問設計」「構成」の3つの工程です。ここさえ押さえれば、話し上手でなくても、読み応えのある記事は作れます。
この記事では、創業から20年、書籍・雑誌からオウンドメディアまで数多くの取材を重ねてきた私たち編集プロダクション・ブリッジワークスが、現場で実践しているノウハウをご紹介します。
最初に結論からお伝えすると、インタビュー記事は準備が9割です。
うまくいかない取材には、共通するパターンがあります。
Webで調べればわかることを質問して、貴重な取材時間を使い切ってしまう
相手の話の流れに引っ張られ、記事の目的からどんどん離れていく
「いい話」は聞けたものの、それが読者にとって価値のある話ではなかった
いずれも話術ではなく、準備の問題です。裏を返せば、事前の設計さえできていれば防げるつまずきばかり。準備の手順を、3つのステップに分けて見ていきましょう。
取材準備というと下調べから始めたくなりますが、その前にやるべきことがあります。記事のゴール設定です。
誰に読んでほしいのか(読者)
何を伝えたいのか(メッセージ)
読み終えたあと、どう感じ、どう動いてほしいのか(読後のアクション)
たとえば採用メディアの社員インタビューなら、「転職を迷っている20代のエンジニアに、入社1年目のリアルな成長実感を伝え、カジュアル面談に申し込んでもらう」。導入事例なら、「同業他社の情シス担当者に、導入前の不安がどう解消されたかを伝え、資料請求してもらう」。
この1行が、質問を考えるときも、原稿でどの話を削るか迷ったときも、すべての判断基準になります。取材前に関係者と共有しておけば、公開直前に「思っていた記事と違う」と手戻りするリスクも減らせます。
ゴールが決まったら、下調べです。会社サイト、プレスリリース、過去のインタビュー記事、SNS、著書や登壇資料——公開されている情報には、ひと通り目を通します。
下調べの目的は2つあります。
すでに公開されている話を、取材で聞かないため
深掘りの起点を見つけるため
取材時間は限られています。調べればわかることを本人に聞くのは、時間の浪費であると同時に、「この人、調べてきていないな」という不信感にもつながります。逆に、「以前のインタビューで◯◯とおっしゃっていましたが、あれから考えは変わりましたか?」という質問は、それだけで相手の信頼を得られ、既出記事の一歩先にある話を引き出せます。
私たちが取材前に必ずやるのが、記事の骨子を仮で書いてしまうことです。「おそらくこういう流れの記事になるだろう」という仮説を、見出しレベルで組んでおきます。
仮説があると、取材中に「いま、記事のどのパーツにあたる話を聞いているのか」を意識でき、足りない要素にその場で気づけます。
ただし、注意点がひとつ。仮説は検証するためのものであって、固執するためのものではありません。取材の醍醐味は、仮説を超える話が出てくる瞬間にあります。予想外の面白い話が出たら、仮説は潔く捨てる。この構えまで含めて「準備」です。
準備ができたら、質問を設計します。ポイントは、質問を「リスト」ではなく「設計図」として考えることです。
ありがちな失敗が、質問を30個も用意してしまうこと。質問が多すぎると、取材が「アンケートの読み上げ」になり、1つひとつの回答が浅いまま次へ進む消化試合になってしまいます。
おすすめは、幹となる質問を5つ前後に絞り、それぞれに深掘り用の「枝」の質問をぶら下げておく形です。幹で話の柱を立て、枝で具体性を足していく。この構造なら、話がどれだけ広がっても軸を見失いません。
読者の心を動かすのは、意見や一般論ではなく、具体的なエピソードです。質問も、エピソードが出やすい形に設計します。
×「仕事で大切にしていることは何ですか?」
○「これまでで一番苦しかった局面はいつですか? そのとき、チームでどんな会話をしたんですか?」
抽象的な質問には、抽象的な答えしか返ってきません。「一番◯◯だったのはいつですか」と時点を特定し、「そのとき何を考えましたか」「誰に、何と言われましたか」とシーンを聞く。すると、その人にしか語れない場面が立ち上がってきます。
「売上が大きく伸びた」ではなく「1年で1.8倍になった」。「多くの試行錯誤があった」ではなく「試作品を14回作り直した」。数字と固有名詞は、記事の説得力を支えるディテールです。話のなかに曖昧な表現が出てきたら、「具体的には、どのくらいですか?」とその場で確認する癖をつけましょう。
よくいただくご質問ですが、基本は「送る」をおすすめしています。相手が安心して臨め、必要な資料や数字を用意してもらえるからです。
ただし、送るのは幹の質問だけ。枝の深掘り質問まで送ってしまうと、当日が「用意された回答の朗読会」になりかねません。送付の際に「当日は、お話の流れで項目にないこともお伺いするかもしれません」と一言添えておくと、ライブ感のあるやりとりがしやすくなります。
準備と質問設計ができていれば、当日にやることはシンプルです。現場で効くコツをいくつか挙げます。
冒頭の5分で、記事の趣旨と想定読者を相手に伝える。「誰に向けた記事か」がわかると、相手も話す内容を選びやすくなります
相槌だけでなく、「いまのお話、面白いですね。というのは——」と自分の反応を言葉にする。相手は「これが面白いのか」とわかり、その方向の話が自然と増えます
沈黙を恐れない。相手が考え込んだときこそ、本音が出る直前です。次の質問をかぶせて遮らないこと
話が逸れたら、「先ほどの◯◯のお話に戻りたいのですが」と素直に戻す
録音はスマホとICレコーダーの2台体制で。冒頭に録音の許可を必ず取ります
そして何より大切なのが、仮説を超える話が出たら、予定を捨ててそちらを深掘る勇気です。準備は、当日を予定通りに進めるためではなく、予定外の価値に気づくためにあります。
取材を終えると、手元には大量の文字起こしが残ります。1時間の取材なら、およそ1万5千〜2万字。対して、Web記事の分量は3千〜5千字程度が一般的です。つまり、実際に使えるのは全体の2〜3割。構成とは、何を書くかを決める作業である以上に、何を捨てるかを決める作業なのです。
どの話を残すか迷ったら、STEP1で決めた「誰に・何を伝え・どう動いてほしいか」に立ち返ります。どれほど面白い話でも、その1行に貢献しないなら思い切って落とす。「全部入れたい」は、全部を薄める一番の近道です。
インタビュー記事の構成には、大きく3つの型があります。
Q&A形式(一問一答)——質問と回答を交互に並べる型。会話のライブ感があり読みやすい。人柄を見せたい社員インタビューや対談向き
モノローグ形式(一人称の語り)——質問を消し、本人の語りだけで構成する型。熱量とストーリーがまっすぐ伝わる。経営者の想いや創業ストーリー向き
ルポ形式(三人称の地の文+発言引用)——書き手の視点で状況を描写しながら発言を織り込む型。客観性と情報量を両立できる。導入事例やプロジェクト紹介向き
どれが正解ということではなく、記事の目的と読者に合わせて選びます。
構成でもっとも多い失敗が、話した順・時系列のまま書いてしまうことです。「まずは自己紹介から」と始まる記事を、読者は最後まで読んでくれません。
取材のなかで一番強かった言葉、一番意外だった事実を、思い切って冒頭に置く。読者が最初の3行で「この先を読む理由」をつかめるかどうかで、記事の成果は大きく変わります。
各見出しは、本文の要約ではなく、その章で一番強い発言から切り出すのがおすすめです。「入社の経緯」ではなく、「『3年で辞めるつもりで入社しました』」。目次を眺めただけで読みたくなるか——これが、良い見出しの判定基準です。
公開前には、必ずご本人に原稿を確認してもらいます。目的は2つ。事実誤認を防ぐことと、ニュアンスのずれを直すことです。
ここで意識したいのは、「言った通り」よりも「言いたかったこと」に忠実であること。話し言葉をそのまま文字にすると、ご本人の意図とずれて見えることは珍しくありません。発言の趣旨を保ったまま、伝わる日本語に整えるのが編集の仕事です。
修正のご要望には柔軟に応えつつ、記事の軸が崩れてしまう修正には、代案を持って対話する。この丁寧なやりとりこそが信頼関係を生み、「またあなたに取材してほしい」という次の機会につながっていきます。
インタビュー記事の作り方を、準備・質問設計・当日・構成・仕上げの流れでご紹介してきました。ここまでのポイントを押さえれば、社内制作でも記事の質は確実に上がるはずです。
一方で、正直にお伝えすると、取材は場数がものを言う世界でもあります。相手の一言から話を広げる反射神経、大量の素材から一本の線を見出す構成力は、経験の積み重ねでしか磨かれません。
ブリッジワークスは、創業から20年、ビジネス書の著者取材からオウンドメディアの社員・お客様インタビューまで、数多くの「聞く・まとめる」を担ってきた編集プロダクションです。企画段階からの伴走はもちろん、「取材と執筆だけお願いしたい」といったスポットのご依頼にも対応しています。
「社内で取材をしているが、どうも記事が単調になる」「大事なインタビューなので、プロに任せたい」——そんなときは、ぜひ一度ご相談ください。お見積り・ご相談は無料です。
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