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2014年8月1日(金曜日)

オールドレンズと呼ばれる、古いマニュアルフォーカスのカメラレンズに興味を持っています。

現代のレンズが解像度高く、隅々まで正確に描写するのに対して、オールドレンズは、コントラストが低く、形の歪みがあり、色の滲みが出て、ボケが荒れて、逆光に弱いためによくフレアが出ます。

現代のレンズの性能は優秀です。一方、オールドレンズには性能だけでは測れない、表現上の魅力があると感じています。レンズごとの個性もユニークです。

個人的には、オールドレンズの描写に感じる柔らかさが好きで、見ていて気持ちが落ち着きます。

光学設計において、形の歪みや色の滲みといった、くっきりはっきりを阻害する要因は「収差」といわれ、それを補正して、欠点のない描写にすることが、現代のレンズにつながる改良の歴史だといわれています。

でも、くっきりはっきりを目指すなかで、補正された「収差」は、じつは人間の目にとっては、得がたい感覚を喚起する情報だったのではないか、というのが、オールドレンズに注目している人たちの視点です。

私はカメラマンではありませんし、専門的なことはわかりません。ただ、単なる懐古趣味、ノスタルジーではなく、このところ駆け足で進んだ技術が、見落としてしまった表現の可能性を、オールドレンズは持っているのではないか、と感じています。

収差を補正して、くっきりはっきりと魅せる技術は、ある意味においては、私たちが扱う言説やストーリーの分野でも発達していると思います。

誰もが解像度・コントラストを高く、明瞭に言葉を発するようになりましたが、そのアウトラインの鮮明さに無理はないのか。あるいは、収差を残した表現を避けるようになっていないか、とも。

「あえて収差を残す」ことの先に、今より味わい深く、いい表現をしていくためのヒントがあるのではないか、と考えています。

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